あなたは、友人や同僚にこんなことを言ったことはあるだろうか。
オレ、金持ちになりたいんだよね~♪
ちなみに私はといえば、真っ正直にこんなことを口にする勇気を持ち合わせていない。
それだけでなく、「金持ち父さん貧乏父さん」などの金持ち本でさえ、だれにも知られないように隠し持っている。(笑)
これは、貧乏人が金持ちに対する「妬み」や「やっかみ」はたまた「ひがみ」のような根深い、そして猛烈なあこがれの裏返しである。
残念ながら、これでは金持ちにはなれない。
金持ちになりたいのであれば、「金持ちになりたい!」と声を大にして言う必要があり。さらにそのための行動をしなければならない。
金持ちになるためには、金持ちの行動・思考パターンを知り。
自分も金持ちと同じように考え、行動する必要がある。
その節約は無駄である
2015年春、世界的な原油安で(円安なんだけど)ガソリン価格もずいぶん安くなった。
1円でも単価の安いガソリンスタンドに、わざわざ給油にしにく人も少なくない。しかし、満タンで50リッター入る車に給油するため、わざわざ時間と走行距離を犠牲にしてまで節約した見返りが50円では虚しい。
ガソリンが値下がりしている時には、決して満タン給油をせずに、こまめに給油したほうが得だという。これは、時間が先に進むほど値段が下がることが分かっているので、高い単価であえて満タンにする必要がないという。
さらには、50リッター給油できる車でも、常に20リッター程度しか給油しない人もいる。ガソリンの比重は水に比べて軽い、だいたい水の7掛けだ。給油しない30リッター分のガソリンの重さは21キロに相当するので、そのぶん車が軽くなって燃費も向上するという。
多少セコいとは思うが、なにも間違えてはいない。
仮設を立てて、実際に行動し、検証してみることは素晴らしいことだといえる。
しかし、
それで、ひと月にいくら儲かるの?
と考えたときに、頑張った成果が100円・200円では悲しすぎるだろう。
節約で精神的には豊かになるかもしれないが、その200円であなたの家庭が裕福になるとは言えないだろう。
家計には「入り口」と「出口」がある。
風呂の浴槽をイメージすると分かりやすい。蛇口からお湯を足していっても、浴槽に栓がしていなければ、いつまで経ってもお風呂にお湯はたまらない。
家計は、多少水漏れがある浴槽である。しっかり栓はしていても、少しずつお湯が漏れてしまう。
家計の「出口」となる水漏ればかりに神経をとがらせていても、たとえそれがうまく機能したとしても溜まったお湯は思いのほか少ないだろう。
それならば、蛇口からドンドンお湯を出した方がいい。
多少の水漏れは気にせずに、収入を得る方法に知恵を絞ったほうが結果的に早くお湯を溜めることができる。
お金持ちと小金持ちは天と地ほどの差があるが、やらなければいけないことは、そう大差ない。どんなに小さな額であれ、お金の「入り」を増やすことは資産形成の基本である。もし結婚している、あるいは結婚することを考えていて、かつ小金持ちになりたいと思うのであれば、もっともてっとり早い方法は、パートナーと共稼ぎでお金を稼ぐことである。
共働きすれば、世帯収入は1.5~2倍に跳ね上がる。これは物理的に大きなインパクトである。事業や投資で「入り」を2倍にするというのは、とてつもなく大変なことだ。だが2人が職を見つけるだけで、収入を2倍にできるわけであり、考えようによってはミラクルである。
「お金持ちの教科書」より
あなたが企業に勤めるサラリーマンだとして、いまの給料を2倍にすることは簡単だろうか。
きっと、そんな人はいないだろう。
頑張って残業しても得られる金額はたかが知れている。
残業代がつかない職場であれば、基本給・職能給を月2万円増やすためには、どれだけの実績が必要か途方に暮れるかもしれない。
しかし、配偶者(パートナー)が同じように働いてくれれば、あなただけがそんな苦労をする必要はなくなる。
共働きは大変なことも増える。しかし増える世帯収入がそれを補ってくれるのだ。
収入を増やすという意味では、サイドビジネスもいい。
金持ちになるためには、発想のリミッターを切って、心のブレーキを外す必要がある。
リミッターを外せば、どんな発想になるのか
いま金持ちでいる人と、これから金持ちになる人、反対に一生「金持ちになりたい」と思いつつ貧乏でいる人とは発想の仕方が違う。
いや、誰でも同じ発想ができるのに、多くの人が「そんなことはできるはずがない」と心のブレーキを踏んでしまって、勇気ある一歩を踏み出すことなく一生貧乏で終わるのだ。
その投資家は、元手が500万円。数年で2倍から3倍にしたい、という強い希望を持っていた。
株式の平均的リターンは6%くらいしかない。だが、急上昇が期待できる銘柄に集中投資すれば、大幅に損するかもしれないが2~3倍も夢ではない。ここで文句を言ってきたのがファイナンシャルプランナーの資格を持つH氏であった。ポートフォリオ理論に基づいて分散投資をしなければ危険だと彼は言う。自分もリスクとリターンを計算してポートフォリオを組んでいると。
筆者「分散投資が重要なことはわかっています。ところであなたは、いくら投資しているのですか?」
H氏「いくらって、そんなに多くはないです」
筆者「金額が問題なんですよ。ちなみに私は1億円強を運用しています」
H氏「いや、私はそれほどは・・・・」
筆者「ポートフォリオを気にされるのですから、5000万ってことはないですよね?」
H氏「・・・・」H氏の運用金額は約100万円だそうである。100万円を株式で、しかもリスク・リターンを計算するといった相当の手間をかけて運用し、数%のリターンを得て、彼は何をしようというのだろうか?株式は、持っているだけでゼロになるリスクもあるのだ。
「お金持ちの教科書」より
なんのために株式投資をするかという点は重要だ。
3億円の資金を株式運用できるというのであれば、5%のリターンが得られたとして、毎年1500万円の収入になる。
一方で上記の500万円を元手に株式投資をしたい投資家は、5%のリターンでは年間25万円の収入にしかならない。これでは勤めている会社を辞めることはできない。
ポートフォリオを組んで、資金を減らさないように注意しながら、働かなくてすむ程度の収入を得るためには、資金1億円以上で最低限、できれば2億円以上あるのが好ましいだろう。
100万円~1000万円の投資資金を株式で運用する人にとってポートフォリオを組んで5%の運用利回りで得られる収入では不満なのである。
株式投資は、資金がゼロになってしまうリスクがある。リスクに見合ったリターンではないと言えるのかもしれない。
そのリスクを負ってまで投資するとなれば、急上昇が期待できる銘柄に集中投資をして2~3倍のリターンを得られなければ、株式投資をする意味が無いのだ。
ポートフォリオ理論は、運用金額が1億円以上の金持ちでないと意味が無い。それ以下の小金持ちは、リスクをはらんだ急上昇期待銘柄に投資して早く運用資産1億円を目指す必要がある。しかし、頭で分かってはいても投資で失敗をする恐怖はつきまとう。心の急ブレーキを無意識に踏んでしまう自分がいるのだ。
「ポートフォーリオを組んで安全に投資資金を運用し・・・」ファイナンシャルプランナーが説くポートフォーリオは耳に心地よく響くだろう。しかし金持ちになってしまった人の方法を真似ても一生金持ちにはなれない。本気で金持ちになりたいのであれば、金持ちが「金持ちになるため」に実践したリスクをとった投資を真似る必要があるのである。
IT系のビジネスを個人で営むある実業家は、さらに手厳しい意見を持っている。行列に並ぶのは「他人と同じであることを確認したいだけの後ろ向きな行為」であるという。
「お金持ちの教科書」より
一般的に言われていることを捨て、時には世の中に背を向ける必要がある、金持ちになるためには思考のリミッターを外す必要に迫られるのだ。
節約も大事、人・モノ・金は使い倒せ!
先に「節約なんてクソ食らえだ、入りを増やせ」ということを書いた、そうは言っても節約は大切だ。収入を増やしてバンバンお金が入ってくるようになったとしても、ドンドンお金を使っていてはいつまで経っても金持ちにはなれない。
元祖金持ち本「金持ち父さん貧乏父さん」がベストセラーになったせいか、お金の使途が資産か負債なのかということを意識する人が増えた。前述の株式投資はお金を使ってお金を稼ぐ方法である。
親の代から土地を相続した(土地持ち)金持ちは、そこにアパートやマンションを建てて家賃収入を得る。これはモノを使い倒してお金を生み出す好例だといえる。
ある中小企業に勤めるCさんの会社は、オーナー社長のワンマン体制で、社員は安い給料でコキ使われている。同じサラリーマンをしている仲間と飲みに行ったとき、Cさんがこの話をすると、皆はそれに共感し、自分たちサラリーマンがいかに大変かを語り合ったそうだ。
だが、会社を経営していいるKさんと飲みに行って同じ話をすると、反応がまるで違った。Kさんはまず、「その社長は優秀だ」と言った。社長の立場で考えれば、社員を生かさず殺さず使い倒すのがベストであり、その社長はうまくやっているという。
「お金持ちの教科書」より
人・モノ・金だけでなく、時間も使い倒すためには、お金に換算することが大事だ。
家でゴロ寝してテレビを見るという行為が、その値段にふさわしいのかを考えるのです。当時の私は時給700円のアルバイトでしたから、「1時間テレビを見るのに700円払えるか?」と考えたわけです。
「お金持ちの教科書」より
この時間にお金をつける(換算する)という行為は金持ちになるための大切な意識。ゴロ寝テレビの1時間に700円の値段をつけたB氏は現在、関西で中古車の輸出業を手がけている。
金持ちになりたい人がすべきことのまとめ
金持ちになりたい人が、まず最初にすべきことは、金持ちについて知る必要がある。それにはこの本が最良だろう。
筆者は、企業のオーナー経営者を中心に、多くの富裕層に接してきた経営コンサルタントだ。出会った金持ちのパターン化を試みるうち、金持ちになるタイプは千差万別であり、金持ちになる方法も様々だった。
しかし、金持ち特有の思考パターンや行動原理が存在することはハッキリした。筆者は自分自身にそれを応用することで、富裕層の仲間入りを果たすことができたのだ。
本書は、シンプルな三部構成になっている。
たまたま金持ちになった人が書いた「オレ流、金持ちのなり方」ではなく、税理士やFPといった金持ちでない人が金融工学や節税テクニックを解説した本でもない。多くの金持ちと接することで得た、「金持ちの思考と行動」を自分で実践して、金持ちになった方法を書いてある本である。
本心から「金持ちになりたくない」と思っている人以外には必読の書といえるだろう。